“日本人英語”にまつわるアクセント(なまり)と非ネイティブのはなし

他人の評価を気にするな、という考え方は日本でも良く耳にするようになった処世術ではありますが、英語力にもあてはまることだな、と最近思います。

目次

英語力の評価は人によってばらつきがある

10年前に1年間アメリカ留学、6年前に9か月間カナダ留学、日本での英語指導歴3年弱の私の英語力への評価はある意味バラバラです。

 

カナダに来て英語を勉強している人たちからすると、すごく上手だ!と言われます。私もかつては勉強している人だったので、それは自然な印象だとは思います。カナダにずっと住んでいるローカルな人たちはみな、全然問題なく英語うまいねと言って対等に見てくれます。硬い表現もカナダ人っぽいくだけた表現も使えていると言ってくれた友達もいます。

 

だからどんな話でも気兼ねなくできるし、彼らからもしてもらえます。英語を勉強中の日本人が多いバンクーバーの地元の人である彼らだからこその評価でもあると思います。

 

まさかの日本人に英語力をディスられた話

でも、仕事を探している時に、ある会社での日本語による面接で、突然何か英語で話してと言われました。色々な言い訳はできますが、準備不足もあり、全然うまく話せませんでした。というか5語くらい話して「ちょっと難しいですね。日本人英語ですね。」と言われてしまいました。

 

その会社で働いている人たちは皆カナダの大学を卒業しているから仕方ないです、という、フォローなのか皮肉なのかよくわからない言葉を頂戴して、私の面接は終わりました。今の自分には変えられない過去の学歴のことを引き合いに出されてもどうすることもできません。数日後にまたその会社からは面接の連絡をもらったのですが、それよりも、私の興味は違う方向を向いていました。

 

新鮮だったのは、その面接官にとって、カナダのバンクーバーほど多様性に溢れ、色んな人が色んなバックグランドを持ちながら、なまりのある英語を使って生活をしているこの土地で、“日本人英語”と呼ばれるものが、取り立てて指摘するほどの問題だったことでした。面接の審査基準にはならないと言われ、実際に後日案内された面接は英語力を要する業務であったのにも関わらずです。

 

何を言われようと自信を持って話すしかない

アメリカの田舎の州なら人種の多様性に少し欠けるため理解できたんですが、バンクーバーで、まさか日本人に言われるなんてーと驚きました。今ではカナダ人の友達と笑い話にしているところです。笑 正直、直後はどう捉えたらいいか混乱していたのですが、この体験は、日本人として弱気になりがちな自分への試練だと捉えることにしました。

なぜなら、この体験があっても、私の「どんな英語力であっても自信を持って話すことが何よりも大事」だという意見に変わりないと確信したからです。日本人は日本人同士では謙虚でいいですが、そのレベルの謙虚さは、英語を話すときには捨ててしまって大丈夫です。失礼にも傲慢にも絶対になりません。カナダで何か遠慮するたびに、友達に”Stop being so Japanese! lol(そんなに日本人っぽくするの止めなよ!笑)”と言われる私が保証します!笑

 

世界の英語話者のアクセント(なまり)事情

世界では色んな人が色んなアクセント(なまり)を持ちながら英語を使って生活・仕事をしています。彼らの大半は生活の必要に迫られて、たとえたどたどしくても英語を使わないといけないという人たちでしょう。事情は人それぞれですが、伝えないと成り立たない何かがあるから、なんとか伝えようと必死でしゃべります。知っているすべてを絞り出して声に出します。そこに躊躇している余裕はありません。生活がかかっているからです。人より伝えないと他の人にその機会を取られてしまうからです。

 

一方で、日本にいるほとんどの日本人は英語力の「必要に迫られて」はいません。身の回りで聞ける英語も、教材用に作られた不自然なほど綺麗な発音の音源ばかりです。

 

でも、本当は必要に迫られていない方にこそ、堂々と英語を話してもらいたいのです。それは最後にご紹介しますが、私の世界規模の野望に関わってくる話になります!笑(おおげさ…。)

 

英会話で遠慮すると発生する問題と対処法

そう言われても、やっぱり英語力が心配で遠慮してしまうことや、どうしても自信がなくてごにょごにょごまかそうとしてしまうことはありませんか?

私もありましたよ!今でもたまにあります!

 

「(心の声)この表現使ってみたいと思ってたけど、これで使い方合ってるかな~ごにょごにょ…」ってなったりします。そのときは友達にそのまま聞きます。「Am I using it right? (使い方合ってる?)」って。たぶんたまに鬱陶しいくらい確認します。そのくらいの鬱陶しさは許してくれるくらい信頼し合える友達を作れるくらいの英語力は“日本人英語”にもあります。(え、根に持ってません。笑)

 

Your English is fine! って毎回言われます。笑 そろそろ本当に鬱陶しがられてきたかなーと思っています。でも、自信がなくてごにょごにょ言ったりしてしまうときは決まって、笑って流されたり、聞き返されたりします。だから、ごにょごにょ言って良いことは本当にないんです。

 

気を改めてはっきり話そうとすれば大抵問題なく伝わります。

 

必要に迫られていないと学習を継続しづらいのは本当

日本で英語を学ぶのが難しいとよく言われる一つの理由が、「必要に迫られていないから」というのは有名ですよね。もちろん職場で必要に迫られて数ヵ月で飛躍的に英語力を伸ばした同僚を知っていますが、そのほかにも趣味や自主的なスキルアップの一環として等、色々な理由で英語の学習に励んでいる方々も私はたくさん知っています。

どんな理由であれ、それぞれ大事なモチベーションです。ただ、必要に迫られていない方のほうが学習を続けにくいことは本当です。それはご想像いただけると思います。同じ24時間という時間がある中で、その人にとって他に「必要に迫られているもの」に負けてしまいやすいからです。

 

必要に迫られていない人の方が遠慮しがち

そして、必要に迫られていない人のほうが、実践で遠慮しがちです。「英語が変だったらどうしよう」の方が「伝わらないことによって何かを失ったら(あるいは逃したら)どうしよう」よりも上回ってしまうからなんですね。そして、上でも友達とのやりとりでもご紹介した通り、遠慮して自信なく発する英語は、残念ながら実力よりもはるかに伝わりにくい英語になってしまいます。伝わらないと自信がなくなるので、悪循環ですね。

実際には、仮にみなさんの「英語が変」でもどうもしません。正直、仕事の面接でも少しくらい英語が変でも全然採用されることは多いです。伝えたいことがあって、伝えようとすれば、なんとか伝わるものです。英語環境で働きたい人に、日本にはとても多くのチャンスがあることをもっと知って欲しいです!

英語が世界共通語として広く使われてずいぶん経ちます。私としては、もういい加減英語ネイティブも、非ネイティブの英語力に歩み寄るべきだと思っています。実際に日本では、日本人の英語に対して寛容なネイティブや外資系企業は以前よりもかなり増えています。

 

でも、英語圏、特に教育水準の高い地域や移民の少ない土地では、残念ながら「英語力による偏見」が存在します。周りが英語ネイティブばかりだったら、ちょっと変な表現を使う人にも敏感に反応してしまうのも想像できると思います。そういう人たちに媚びる必要はありません。堂々と、第二言語でもこっちは喋ってるんだからちゃんと聞いて!という態度で応じましょう。

 

“日本人英語”に世界を慣れされる

これが、私のひそかに抱いている野望でもあります。

日本人は発音が悪いとか言われますが、もともとはどの国のなまりの方が聞きやすいなんていう差はないと思います。これは私個人の見解ですが、ネイティブが聞きなれているかそうでないか、それだけで判断されているところもあると思います。中国語なまりもインドなまりもなかなか強烈です。それでもいつの間にか聞きなれてしまったネイティブは“中国なまりの英語“や”インドなまりの英語“として認識しています。

 

なまりなんて聞き慣れさせた者勝ち

日本人の英語だけ”日本人の英語は下手“と言われるのは日本人が遠慮してあまり英語を使って世界に出ていないことと同時に、ネイティブも聞きなれていないから聴き取れない、ということが組み合わさって生まれているイメージだと思います。

ですから、たとえ、英語ネイティブの人に「あなたの英語は下手だ」と言われたとしても(その人はちょっと意地悪ですが笑。)気にしなくていいです。性格が人それぞれであるように、英語力も最低限伝わるレベルを超えたら、ある意味聞き手次第なところもあるということです。

 

まとめ

聞き手が寛容な時しか堂々と英語を話せないのだとしたら、ネイティブはいつになっても日本人の英語に慣れてくれません。せっかく英語を学んでいるのですから、この“ネイティブ教育プロジェクト”に力を貸してくれませんか?

まだ勉強中だけど、堂々と英語喋ってるんだから聞いて!

この気持ちを持って、少しずつでも堂々と話せるようになる生徒さんが増えることを心から願っています!もし仮に冷たくあしらわれたら、私がいつでも話を聞きます^^なので、どーんと飛び込んでいってください☆

ではまた!

 

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