「Saving Private Ryan (プライベートライアン)」

今日もおすすめ洋画と大事な台詞を紹介・解説します!

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Saving Private Ryan (プライベートライアン)

スティーブンスピルバーグによる戦争映画の名作として知られていますが、セリフも印象的なものが多いと感じました!

 

まぁなによりも一番印象的なのは冒頭20分にも及ぶ、オマハビーチ上陸作戦の戦闘シーンですね。

 

身を隠すものが何もない海岸に上陸して、ひたすらドイツ軍からの砲撃を受ける兵士たちは

体の一部がふっとんで内臓が飛び出したり、体全部が方々に散ってしまったりと、

目を背けたくなるのに、目がスクリーンから離せない、心臓を掴まれるような気持ちで観ていました。

プライベートライアン

 

この映画の一つのキーワードFUBARとは何か

さて、そんな激しい戦闘をどうにか生き抜いて残った精鋭たちに課された任務が

saving private Ryan

ライアン二等兵を救出すること

だったんですね。

 

この映画の大きなテーマの一つとなっているのが

「1人のために8人もの命をかけて救出に行く必要があるのか」

ということです。

 

この疑問は、映画の中心部分を占める兵士たちの会話の中で多く触れられています。

FUBARの意味を理解するポイントとなるシーン

8人の精鋭たちもこの任務には初めから疑問を持って、その不満をトム・ハンクス演ずるミラー大尉にぶつけているシーンがあります。

Private Reiben: You wanna explain the math of this to me? I mean, where’s the sense of riskin’ the lives of the eight of us to save one guy?

*math of ~ 「~とのつじつま、割に合うこと」というような意味です。

(どうやったらこれが割に合うのか説明してくださいよ?つまり、一人を救うために我々八人が命を危険にさらすなんて、どう納得すればいいんだってことですよ。)

(中略: 兵士たちが好き勝手なことを言い合っている。ライアンの母親がかわいそうだとか、母親は自分たちにも居る、とかなんとか。)

Captain Miller: We all have orders, and we have to follow ‘em. That supersedes everything, including your mothers.

(私たちみんな、それぞれに従うべき命令があるんだ。それは他の何よりも優先される、母親も含めてな。)

Upham: Yes, sir. Thank you sir.

Private Reiben: Even if you think the mission’s FUBAR, sir?

(その任務がフーバーだと思ったとしてもですか?)

Captain Miller: *Especially* if you think the mission’s FUBAR.

(その任務がフーバーだと思ったときは”特に”だ。)

 

この映画で一つのキーワードとして繰り返し使われるこの

フーバー

という言葉。

 

FUBAR

と書きますが、

兵士たちがこの戦争について表している言葉です。

Fucked up beyond all recognition.

(この上ないくらいイカれている)

嫌気がさしている、うんざりしている、気が狂いそうだ、頭がおかしい、そんなようないろんなマイナスな意味を込め、略してジョークのように使って、その時をやり過ごそうとしているんですね。

戦闘シーンだけじゃない、本当の見どころは兵士たちのおしゃべり

戦闘シーン以外は、基本的にこの八人の兵士たちの愚痴のようなおしゃべりがこの映画のシーンのほとんどを構成しています。

 

これが、兵士と観客という、一見共感しづらいように思える二つの種類の人をうまくつなげているように感じました。

 

戦争映画ですが、とても人間味あふれる映画です。

 

戦闘シーンではとても勇敢で能力にも優れていてヒーローのような八人ですが、おしゃべりシーンでぐちぐち話すのを聞いていると、親しみが持てたりします。

 

一瞬戦争映画だということを忘れてしまいそうなくらい、日常的な会話のトーンで愚痴ったり、ジョークを言ったりするのです。

 

だからこそ、彼らのおかれている戦争という状況をふと思い出すときに、想像を超える恐怖と苦悩とどうにもやるせない気持ちが、観客を襲うのだと思いました。

 

戦争という非日常的な環境の中で、これだけ日常的に過ごしてしまっている彼らの様子を見ると、戦争の恐ろしさを再確認せずにはいられません。

 

最後まで、どんどんつらくなっていく映画ですが、

It is worth watching.

(見る価値があります。)

 

一番大事なセリフ: Earn this.

最後に、ミラー大尉が最後にライアン二等兵に言った言葉をご紹介します。

Earn this.

 

earn

というのは「稼ぐ」と安易に訳されがちですが

 

「努力・労働などを伴って、価値や利益を生み出す」

 

という意味の動詞です。

 

earn this となると、

「これに見合うくらいのものを生み出す」

というような意味になります。

 

つまり、

 

8人もの優秀な軍人が、人間が

君を救うために命を投げ打ったということ(=this)

を忘れずに、

ちゃんと生きていけ(=earn)

 

というメッセージでした。

 

シーンが未来に変わって、年老いたライアンが自分はちゃんと生きてきただろうかと自問自答してきた描写があります。

 

とてもとても重たいメッセージですよね。

自分の今は8人分の人生の犠牲によってあるのだと思って生きてきたライアンの人生も、

きっとたくさんの思いや苦悩がつまっていたことでしょう。

 

想像してもしきれないのがもどかしいです。

 

まとめ

決して楽しい映画ではありませんし、戦争映画としてもなんだか色々な意見があるみたいですが、(それはどんな映画でも同じでしょうね。)

 

私は個人単位で兵士たちのいろんな感情や思いを知ることができる描写と、それらを印象的に表している英語表現を学べるという観点から、

 

ぜひみなさんにも見ていただきたい作品だと思いましたので、今回ご紹介させていただきました。


他にもさまざまなジャンルの洋画を、セリフの引用と解説を用いて紹介しています>>「おすすめ洋画集」

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