海外の食文化で今みんなが気にする「NO MSG」の意味とは?

本題のMSGについて書く前に、まずは今日の献立を英語で…

(MSGについて早く知りたい人は、スクロールしてすっ飛ばしちゃってください〜!)

Ratatouille with mushrooms

Multi-grain rice

Cauliflower tuna casserole   

きのこたっぷりラタトゥイユ

雑穀ご飯

カリフラワーとツナのグラタン

和洋折衷な献立ですね!笑 ラタトゥイユは、フランス語ですが、そのまま英語にしちゃってOKです!一方のグラタンも、フランス語なのですが、英語で言うときは、casseroleと言った方が通じます!

雑穀米を表すmulti-という表現は他にもよく使われていて、代表的なのだとmulti-lingual 「多言語話者の」、multi-cultural「多文化の」という言葉があります。 multiple「複数の」という形容詞からきてますね!

それでは今日の本題にいきましょう!

目次

世界で人気が急上昇中の日本食

日本食と聞くと、海外の人が想像するのはどんなイメージだと思いますか?

お寿司

ラーメン

天ぷら

とんかつ

カレー

オムライス…

日本食といっても、決していわゆる「和風」なものだけが海外で人気があるわけではありません。カレーやオムライスなど、日本人によってアレンジされた洋食も、その質の高さから海外での人気をどんどん伸ばしています。

海外で日本食が人気になった理由は色々とありますが、日本人は比較的細い体型の人が多く長寿であったり、副菜に野菜をたくさん使うことが多いので日本食はヘルシーだというイメージが広がったりしたからというのも一つの理由だと思います。

そう!私もずっと日本食はヘルシーだと信じてきました…。

実は、日本は添加物大国

でも、海外で健康に気をつかう人たちは、実は現代の日本食がヘルシーではないということを知っています!その理由は、たくさんの化学調味料、保存料などの添加物が入っているからです

そのうち、アメリカやカナダでかなり騒がれているけど、日本食には必ずと言って良いほど入っている添加物MSGについて、紹介します!

アメリカ・カナダで要注意のMSG

アメリカやカナダでスーパーに行くと、調味料や加工食品のコーナーで、「NO MSG」の表示やパッケージを多く見かけます!

10年前にアメリカに留学していたときには、食べるプラスチックとも言われる「トランス脂肪酸(trans fat)」が入っていないことを示す「0 trans fat」というパッケージをそこら中で見かけたのが印象的でしたが、今はもうトランス脂肪酸が入っていないのは当たり前でパッケージに商品名よりも大きく表示されるなんてことは無くなりました。

そして現在アメリカとカナダで必ず強調されるのが、「NO MSG」です。スーパーの商品だけでなく、レストラン(特に中華料理店)の看板にも書いてあったりするくらいです。

それくらい避けるべき添加物として北米で大流行しているのがMSGです。きっと環境と健康への関心がより高いヨーロッパでは、すでにMSGが入っていないことは当たり前なんだろうなーなんて想像してみたり…。ここは要リサーチですね!

実は味の素…MSGとは?

では、そんなに気を付けるべき健康の敵MSGとは何なのでしょう?

MSGとは、グルタミン酸ナトリウム(monosodium glutamate)のことを指します。そして、MSGと聞くと、日本ではなじみがありませんが、「味の素」は聞いたことありますよね!

そう、食品会社名でもありますが、その味の素株式会社が古くから看板商品として売っている「味の素」は、日本国民のほとんどが知っているうまみ調味料です。

味の素は、昆布のうま味成分がグルタミン酸ナトリウムであることから、それを抽出してなんでもおいしくする魔法のうまみ調味料として、1908年から(!) 販売されている調味料です。

これは、もともと 東京帝国大学教授の池田菊苗(いけだきくなえ)氏が昆布のうま味成分はグルタミン酸ナトリウムだということを発見したことから、商品化されたことに始まります。すぐに世界中での使用が広まり、特に手軽に味を良くする目的でアジア料理を中心に世界中の大量に使われるようになりました。

MSGの健康被害が疑われるようになったきっかけ

今は死語となった「中華料理店症候群(Chinese Restaurant Syndrome)」ですが、MSGへの健康被害が疑われるようになった事件から使われるようになった言葉です。

中華料理店で食事をした人たちが、頭痛や歯痛、身体のしびれを訴えたことから、中華料理店で大量に使われるMSG(=味の素)が原因として疑われるようになりました。

多くの調査、研究が行われるのと並行して、MSGによる健康被害を自覚する人たちは増えていき、本当の原因として科学的に証明される前に、MSGは社会的に身体に毒な添加物として現在のように健康を害する調味料という扱われ方が主流となりました。

また、食後すぐの症状以外にも、偏頭痛や緑内障の原因になるとも考えられています。特に緑内障に関しては、アジア圏の方が発祥する人が多く、MSGが食文化に使われる量がヨーロッパや北米などと比べてはるかに多いということとの関係性が疑われているそうです。

本当にMSGは健康に悪いのか

MSGはある程度の摂取量を超えると、味覚での摂取過剰を感じることができなくなります。他の調味料なら多く使いすぎると「しょっぱすぎる」「甘すぎる」など、味をもって量が過剰だったということが分かります。一方でMSGはどんなに沢山使ったとしてもある一定の量を越えてしまった先は、無限に気づかないまま摂取できてしまうという怖い性質があります。

なんでも取りすぎは良くないですもんね。体質によって、過剰摂取したものを分解しきれずに、身体に悪い影響が残るというのは素人でも想像が容易いです。

中華料理店では、中華鍋とおたまで色々な料理を作ることが出来ますが、そのおたまでMSGをごっそりすくってそのまま中鍋にどかっと入れたりしていたそうです。なので、過剰摂取になりやすく、体調が悪くなる人たちが多く報告されました。そして中華料理店症候群(Chinese Restaurant Syndrome)という名前が付いたのでした。

ただ、長年にわたって、MSGが頭痛やしびれなどの健康被害の原因であると証明するための様々な調査・研究が行われたきたものの、今のところは動物へも人体へもMSGが原因となる健康被害を科学的には証明できていないようです。

MSGが本当に体に毒なのか、はっきりとした答えを、科学はまだ出せずにいます。

参考リンク:

[blogcard url=”http://www.bbc.com/future/story/20151106-is-msg-as-bad-as-its-made-out-to-be”]

それでももう止められない「NO MSG」のトレンド

それでもこれだけアメリカやカナダでは街中でNO MSGの看板が掲げられ、NO MSGと書かれていない商品やレストランは肩身の狭い思いをするくらいの影響力に達しているので、人々のMSGに対するネガティヴイメージは今さら覆ることはない気がします。

カナダの友達やアメリカのホストファミリーとご飯を食べていても「I’ve heard that many Japanese foods actually have a lot of MSG in them. Is that true? (日本食って実はたくさんMSGが入ってるって聞いたけど本当?)」とこの1年間だけでもたくさん聞かれました。

初めてその質問をされたときは、MSGが味の素だってことも知らないくらい無知だった1年前の私ですが、自分の国のことをちゃんと答えられなかったのがもどかしくてその後調べると、色々と知ることが出来ました。

なぜ日本でMSGは知られていないのか

うまみ調味料「味の素」は安く簡単に味を美味しくできる画期的な調味料ということなので、日本でも、自らの意思で選んで「味の素」をスーパーなどで購入し、家庭料理に使うということをしなくても、知らないうちに摂取しているだろうな、というのは簡単に予想が付きました。それでもなぜMSGという言葉はこんなにも日本では知られていないのでしょう。

それは、お惣菜や加工食品などに入っている場合に食品添加物表示の欄には、商品名の「味の素」ではなく、「アミノ酸調味料」や「アミノ酸等調味料」として書かれているからでした。

それって日本のスーパーやコンビニで売っているほとんどの食品じゃないかーーーー!!!!とショックを受けたのですが、「日本食は添加物がいっぱい」というふわっとした情報はどこかで聞いたことがあったので、妙に納得してしまいました。

肌の調子と添加物の関係

私は思春期ニキビが終わっても、吹き出物ができやすく、おでこから口の周りから顎のあたりと、たびたび繰り返す肌の不調に長年悩まされてきました。

野菜はいっぱい食べるし、豆腐やお肉も普通に食べるし、スイーツはもともと好きじゃないのでそんなに食べないし、寝る前には必ずメイクを落とすのに、なんでなのーーーーー泣 と。

そして思い返してみると、コンビニでの買い食いをやめ、成城石井などの添加物のほとんど入っていないとされるお惣菜を買うようにし、自炊のときもあまり色々と凝ったドレッシングや焼き肉のタレのようなソース類は使わないようになってから、日本での肌の調子がかなり改善した記憶があります。

そして、カナダに来てからはより肌の調子が良くなりました。東京での生活ほど忙しくないのでストレスが少ないということもあると思います。でも今考えてみると、周りには健康的な友達が多いので、レストランなどで外食するときでも食べ物にMSGが入っているところにはほとんど行かなかったのも影響しているのではないかという気がしています。

カナダでは避けやすい・日本では避けにくいMSG

実際のところ、MSG自体に悪性が無いとも言い切れないしあるとも言い切れないですが、今日現在科学が証明できることが世の中のすべてでもないと思うし…もしかしたら体質によって敏感に反応する人もいるかもしれないし…こういうのって判断が難しいですよね。

まぁ摂取しないと人間として生きていけない栄養素でないことは確かなので、避けられるものならなるべく避けるようにしたいな~と思っています。でも、カナダの生活では普通のスーパーで簡単に無添加食品やオーガニックなものをそんなに高くない値段で買えるんですが、日本だと避けて生活するほうがとても大変ですよね~。

あと少しで日本に帰国しないといけないので、添加物アイランドに戻るのは怖いな~と思っています。ためしにコンビニ食品生活を一週間くらい続けてみて、またニキビだらけになったら、れっきとしたアンチMSG信者になろうかな~なんて思ったり。

日本のご飯は安くておいしいけど、こういう秘密があると思うとなんだか複雑です。カナダで外食やテイクアウトをすると、なんだかそんなに味がおいしくなくてがっかり、ということもよくありますが、一方で日本のお惣菜やお弁当は安いしほとんどの場合味もおいしいので満足してしまっていました。

身体が反応しない人はいいんでしょうけどね、どんなスキンケアを試しても肌が良くならない人は、MSGを避けてみると意外と改善する、ということもあるかもしれません!

ではまた!