日本人が英語を勉強する上で直面する壁の一つとしてカタカナ語があります!
でも、最近では世界中で日本の文化の人気が高まり、特にアニメや漫画を世界の多くの人が見るようになりました。そしてその影響で、英語ネイティヴがカタカナ語に混乱するというまさかの現象が起きています!
今回は私の周りの、2人のカナダ人のエピソードを本人たちの許可を得てご紹介します!
目次
日本食フュージョンレストランで働くカナダ人シェフのはなし
バンクーバーではフュージョン(fusion)という、異文化のものを組み合わせたジャンルのレストランが人気で、ジャパニーズフュージョンレストランというのも多くあります。
日本食でよく使われる素材や繊細な味を、西洋文化の華やかな盛り付けや斬新な組み合わせでアレンジしたようなものが多く、地元のカナダ人にも日本人にも愛されるジャンルです。
そこでシェフとして働くカナダ人の友人Aと共通の友人何人かと一緒に、おすすめのレストランの話をしていた時のことです。
友人A:They have pretty good hamburgers for a family restaurant. (あそこはファミレスにしてはちゃんと美味しいハンバーガーを出してるよ。)
友人B:I don’t think the place is run by a family… There are a few of them in the Vancouver area.(あそこは家族経営ではないと思うよ。バンクーバーにいくつか店舗があるから。)
話噛み合ってない…笑
その直後の空気で、私と友人A以外のみんなが、彼女の言ったことを理解していないことが分かりました。
なぜ私は意味がすぐに理解できたのかというと、日本語ネイティヴだからです!笑 すぐに問題がわかったので友人Aに聞きました。
私:Did you mean restaurants like Denny’s or Red Robbin? (デニーズやレッドロビンみたいなレストランのこと?)
友人A:Yeah… (うん…笑)
そうだったみたいですね。
日本語ネイティヴの私にとってはあまりにも聞き慣れた単語だったので初めは気付かなかったのですが、family restaurant というのは、日本語が作った新ジャンルです。
いわゆるチェーン店やフランチャイズ経営のレストランを指し、メニューやオペレーションなどが比較的統一された家族連れでも入りやすいタイプのレストランのことを指しますよね。
英語に同じタイプのレストランをくくる名前はありません。なので、ファミレスのようなレストランについて話したいときは、私は基本的に下記の表現を使います。
chain (restaurant)
franchise (restaurant)
*文脈によっては後ろにrestaurantと着けない方が適切な場合もあります!
もちろんチェーン店でもファミリー層向けでないお店も多くあるので、あくまで似たような意味の単語で代用し、後から微妙な意味の違いを別の文で追加説明出来たらなおよし、というところですかね。
もともと分類の仕方が違うんですから、完璧に訳そうとしないほうがいいです!その方が伝わりやすいと思います。
ちなみに、似たような単語を組み合わせた表現に
family-owned restaurant
があります。こちらは家族経営のレストランという意味です。
ということで、友人Aに何が起こったのかをまとめます。
英語にはファミレスに該当する表現はありませんが、ワーホリでカナダに来ている日本人が多く働くその日本食レストランで、毎日日本語を聞きながら働き、オフの日も職場の日本人の同僚と遊ぶので、日本語が上達し、カタカナ語の“ファミリーレストラン”という言葉を自然に英語の会話に使ってしまったのでした!
さて、この一回の出来事だけだったら、記事にしようとは思わなかったのですが、次の出来事があったので、面白いかなと思ってみなさんにも共有することにしました!
世界共通のゲームの名前を和製英語で呼んだカナダ人のはなし
クリスマスは家族と、ニューイヤーは友達と過ごすことが比較的多い北米の文化ですが、そんなときはみんなで集まって喋ったりみんなでできるゲームをすることが多いです。
今年は、私も友人宅に友人たちと集まり、ゲームをしながらカウントダウンを迎えました。
みんなが集合して、ゲームを始めようとした時の友人Cの一言です。
友人C:Do you have trump? (トランプある?)
聞かれた家主の友人Dは、きょとんとしていました。
そして、その違和感に気づいた本人がすぐに私に聞いてきました。続きの会話がこちらです。
友人C:We don’t call them trump in English, do we? (英語でトランプって言わないんだっけ?)
私:No…you guys just called them cards, right? (うん…ただカードって言うだけじゃない?)
カナダじーん!!なんで私に英語の質問してるのー!!!笑
でも、そうなんです。
実は、英語ではあの4種類のマークと13の数字が書かれたカードのセットをトランプとは呼びません。トランプと言ったら、今となっては米大統領ですね。
実際には、トランプは英語ではシンプルにcardsと言います。
じゃあなぜ日本語ではトランプと呼ぶのか興味のある方は素敵なブログ記事を見つけたのでそちらをご参照ください▼
[blogcard url=”http://magiciandaisuke.com/?p=114″]
日本のアニメや映画、ゲーム好きの友人Cは、自然と日本語のインプット量が多くなるため、どちらが英語で使われる単語で、どちらが和製英語(つまり日本語)の単語なのかわからなくなったようでした。
インプット量の効果を実感しますね!笑
彼は、アニメや映画やゲームを日本語で観ていたので、いつのまにか日本語で会話すら少しできるようになっていました。日本には旅行でしか来たことがありません。
このように、英語を第一言語として育った人たちが、成人してから日本の文化に興味を持ち、特に意識して日本語を勉強しようとしなくても、日本語聞き続けることで、英語と間違えるほど自然に使える知識になっているというのには、少し驚きました。
真のグローバライゼーションの幕開けかも!
ネイティブの英語神話を壊すようで少しショッキングな出来事ですが、私としてはちょっと楽しいこの現象。
だって、まさか英語ネイティヴがアニメの観すぎで英単語と和製英語をごっちゃにする日が来るなんて思ってもみなかったんですもの!
これこそ真のグローバライゼーションと言っていいでしょ!笑
アジアの文化がかなり影響力のあるバンクーバーという特殊な土地で起こりつつある現象なので、まだ「英語圏で」とは言えない程度の局所的なものではありますが、「完璧な英語」という現実的でない概念を壊していくための、良い変化だと思います!
まとめ
ネイティブだってこんな風に異文化に触れていけばいくほど、言葉をごっちゃにして間違えてしまうこともあるんだから、非ネイティヴの私たちが目指すところは完璧よりも伝わる英語ですねー!(雑だけど大事なことですよ!笑)
そして、学習法に関して言えば、やっぱり文化にも言葉にも興味を持って聞く(インプットする)ことはとても効果的なのだと再認識しました。
ではまた!