どんな言語も書き言葉と話し言葉はルールや使われ方がかなり違います。日本語を学んだ人たちは、日本語も話し言葉は暗号のようだと言います。日本語ネイティヴの私たちにはわからない感覚ですね!
英語は比較的話し言葉と書き言葉の隔たりが少ない言語と言われていますが、英会話力を伸ばしたい人はいくつかのコツを知っていると、英語のスピーキングを、より自然にすることができますよ!
今回は、”文法書的に正しい”という考え方を捨てて、生きた英会話のテクニックを伝授します!書き言葉ではやっちゃダメだけど、話し言葉で使うと自然な英語に聞こえる裏技です。
目次
名詞を動詞として使う
この裏技を一言で言うと、名詞を動詞として使う、です。シンプル~!
日本語は便利で、名詞に「する(る)」を付ければ、なんでも動詞にすることができます。
一方の英語は、文型が命です。文型というのは、大まかに言うと、どんな役割の言葉がどのような並び順でくるか、ということです。なので、英語の最初にみんな必ず五文型を覚えさせられるんですね。
この文型、はじめはつまらないけど、本当に大事なんです。
英語には「する」のような魔法の言葉はないけれど、特定の文型を使い、文法的に動詞が入るべきところに名詞を入れて文を作ることで、名詞は自然と動詞として認識されるのです。
なんのこっちゃですよね。例を出しましょう。
「ググる」を英語にしてみる
例)You should Google it.
さて、天下のGoogle先生は、会社名であり、検索エンジン名です。世の中に一個しかないものを表す固有名詞です。
このYou should Google it. の文を見てみましょう。
英文法には、助動詞のあとは動詞の原形がくるというルールがありますよね?でも今回は名詞である”Google”がきています。
そしてお気づきの通り、この文の意味は「ググれば?」です。(もう少し直訳っぽくすると「ググった方がいいよ。ググりなよ。」ですかね。shouldは強く勧めるときに使います。)
そうなのです、日本語同様、この”Google”は動詞として使われています。
日本語では「ググる」という言い方(名詞+る)で名詞を動詞として使っていますが、英語では動詞が来るべき場所(=助動詞shouldの直後)に名詞Googleを置くことで、「ググる」という動詞として使うことができます。
Google itの文型
助動詞の文法的ルール以外に、文型から考えることも可能です。
You Should Google it. はSVOの第三文型ですが、助動詞と本動詞は一緒くたにVとして捉えるので、”Google”という名詞はV(動詞)の一部として解釈できます。
なんてシンプルなんでしょう!5つある英文型の中のそれぞれVの部分に名詞を当てはめれれば、一応どんな名詞でも動詞として使えるのです。
注意点①動詞としての変化
ただし!名詞を動詞として使う場合には、注意点が2つあります。
1つ目は動詞の使い方のルールにのっとって、ちゃんと変化させることです。
動詞として扱う以上、動詞としての変化もちゃんとさせる必要があります。
先ほどの「ググる」という意味で使った”Google”は、shouldの直後に来ていたので原形でしたが、例えば「ググったよ。」と言いたいときは、ちゃんと過去形にする必要があります。
I Googled it.
となります!
注意点②目的語をつける
名詞を動詞として使うときに、意味がちゃんと伝わるように使うためには、目的語が必要な場合には必ず目的語も付ける必要があるということです。
目的語は、必ずとは言えませんが、会話ではたいていitやthatで済みます。まずはGoogle itのように、itを自分の中のデフォルトにしてしまっても良いと思います。
正確に話せることも大事ですが、英会話をよりスムーズにできるようにするためのこういったテクニックは、どんどん活用していきたいですね!
目的語をつける・つけないの判別
さて、目的語を付ける付けないはどう判断するかというとー…これは自動詞・他動詞の区別のはなしになります。
I Googled…
これだけだと、「ググったよ…」「…何を?」と突っ込みたくなりますよね!その場合は他動詞なので目的語を付けます。itです。なので、I Googled it.となります。
I walked.
「私は歩いたよ。」これはこのままで意味が通じますよね?なので自動詞です。
注意したいのは、一つの単語が自動詞か他動詞に振り分けられているわけではなく、どちらとしても使える場合も多くあるということです。
例文です。
I ate your cake. 「君のケーキを食べたよ。」
当たり障りのない、他動詞として使うeatの例文ですね。他動詞なので目的語cakeがあります。
では、こちらはどうでしょうか。
I ate.
目的語がないので、何を食べたかわからないよーと思うかもしれませんが、この表現、結構使われます。
これは、
「食事を済ませたよ。」
という意味で使われています。
何を食べたのかが話の中で重要ではない場合、そして、ただ、「食事はもうしたから(普通は)お腹は空いてないよ」という場合にはI ate. と言います。この場合は自動詞ですよね。
この自動詞・他動詞の使いわけは日本語の感覚と一致するわけではありません。なので、慣れるまではちょっと大変かもしれません。
一番良い習得方法は、どの単語はより自動詞(あるいは他動詞)として使われているか、リアルな文脈の中で英語の例文にたくさんふれて、感覚を養うことです。
リアルな文脈の中で、というのは、例文一つずつが独立しているような教材ではなく、洋書のように自分のペースで読めて前後の文章が意味のヒントになったり、映画や海外ドラマのように、ストーリー展開が理解を助けてくれるようなものです。
スペルは正しい必要があるか
名詞を動詞として使うというのは、くだけた英会話に多く出てくるカジュアルな表現であり、書き言葉ではほとんど使いません。なので、細かいスペルで悩むことはほとんどないです!
LINE, Whatsapp, Facebook メッセンジャーなど、インスタントメッセージで送ることはありますが、そもそもGoogledなんてthe造語です!なので、もともとちゃんとしていない言葉なのでスペルもちゃんとする必要はありません。
また、日本語ネイティヴが漢字を間違えるように英語ネイティヴもスペルは良く間違うので、スペルというのはそもそも日常的なやりとりでは気にしなくて大丈夫なんです!もう自動予測変換機能が当たりまえについてますしね。
試験やビジネスでちゃんと書けることはもちろん大事ですけどね!
よく動詞として使われる名詞リスト
理屈はもう十分ですね。では、比較的よく聞く動詞として使われる名詞の例を例文&解説と共に紹介します!
例)She is an expert on Googling.
彼女はググるのが超得意だ。 *be an expert on~ ~がとても得意だ、秀でている
例)I don’t think you have Emailed me yet.
まだメールもらってないと思うよ。*「~してないと思う」と言いたい場合も、英語はnotは前に持ってくる傾向があるのでI don’t think you do~. とした方が自然です。
- Microwave
例)You can Microwave the potato to cook faster.
料理時間を短くするなら、ジャガイモはレンジでチンしたら。*You can~ やんわりと提案するときによく使います。
- Bus
例)I used to bus to work.
私は昔はバス通勤でした。
- Phone
例)Can you phone me later today?
今日あとで電話してくれる?
おまけ
- Photobomb
We were photobombed by a guy.
私たちは、写真を撮っている時に、ある青年に写り込まれた。*photobomb ふざけて知らない人たちの写真にわざと写り込むこと。欧米で盛んな軽いいたずらです。偶然知らない人が面白い格好で写り込んでいる場合もあります。
まとめ
- 名詞を動詞として使うと英会話が自然になる!
- 注意したいのは文法のルールにのっとって変化させること
- 目的語が必要な意味の文を作る時にはちゃんとitなどをつけること
他にもたくさん動詞として使われる名詞は存在します。カジュアルな英会話のシーンから宝探しのように見つけていって、覚えていくと楽しいですよ!
また、自分では使わないとしても、英語ネイティヴをはじめ、英語を使いこなしている人たちが実際にどのように話しているかを知識として知っておくのは役に立ちます。
ちゃんとした文法のルールにのっとった英語力はもちろん大事ですが、実際にリアルな会話で使われているくだけた英語もれっきとした本当の英語です。
日本人以外の友達や、仕事関係の外国人と雑談をするときに役に立つことも多いです!「こんな言い方もあるのか~!」と楽しみながら、少しずつ覚えていくのをおすすめします!
では!