「具」は英語で?文脈が単語力アップに繋がる仕組みを2つの例で解説

この間、カナダ留学中の友達がわんさか日本に遊びに来たので、一日東京を案内しました!(方向音痴の私はどちらかというと、一緒に観光させてもらいました!笑)

I’m super bad at directions!!!!! (方向は大の苦手なのです!=方向音痴です!)

 

みんなでご飯を食べているときに、もちろん日本食の話題になりまして、日本のソウルフード肉じゃがや煮物について、熱い議論が繰り広げられたので、ご紹介しようと思います。

 

目次

英語で肉じゃがはシチューなのか?

日本食にはたくさんの煮物がありますが、英語圏には似たような料理がないので説明がとても難しいです!

 

過去の記事に肉じゃがをstew(シチュー)として紹介したことがあります。

 

でも今回来日した友達の一人の日系カナダ人と肉じゃがの英語説明について話していたところ、「シチューはメインがスープだけど、肉じゃがは具がメインじゃない?」というようなことを言われました。

stew

本当かしら?これはコンソメシチュー。具とスープのどちらがメインかしらねー?

 

その子は日本語もわかるので、私たちは英語に日本語を混ぜたりして話すことも多く、今の文も「Stew is more of soup but Nikujaga’s main part is its Gu(具), isn’t it?」とか言っていた気がします。

 

そして「肉じゃが」をNikujagaと言い、「具」をGuとごまかす私たちを見逃さないその場にいた他のカナダ人に「What’s Gu?」とかつっこまれてしまいました。笑

 

文化の説明の何が難しいって、相手の文化に「存在しないもの」をどう相手にわからせるかというところだと思います。

 

英語で具とはなにか?

結局「肉じゃが」の説明のために「具」を説明しないといけないことが分かり、

 

the main stuff like vegetables and meat in the dish  (野菜や肉のような、その料理に入っている主なもの)」

 

というふわっとした説明で納得してくれたようでした。

 

まぁ、彼らは日本の文化が好きで、日本のアニメや漫画に私より詳しいくらいので、アニメなどを観ているうちに「具」というワードにも出くわして、合点がいってくれればいいでしょう。

 

英語学習のコツは理解を後回しにすること!

あっこの「説明だけは頭にいれて、実際に納得するタイミングは後回しにする(できる)」姿勢って語学力習得にはとても大切だと思います。

 

文法であろうと、単語の微妙なニュアンスであろうと、どんなに言葉を尽くしてもわからないときはわからなかったりするものです。そうしたら、説明を理解しようとすることは一旦諦め、文脈で情報を補ってくれるような方法に切り替えましょう。

 

洋書を読むでも、海外ドラマを観るでも、洋楽の歌詞をチェックしてみるでも、いいでしょう!(ニュアンスを知るには人の反応が視覚的に見えるとかなり助けになるので、個人的には映像がおすすめですが!)

 

海外ドラマや洋画を観ることを、私がずっとおすすめしてきているのは、人が説明から全てを理解するのは難しいと、対面レッスンを毎日していて実感するからです。雪を観たことない人にどんなに言葉で説明しても、あの情景をイメージできないことと一緒だと思います。

 

「具」という言葉が出てきたので、それを例にお話しします。「具」というのは結局は野菜やらお肉やらさまざまですが、わざわざ「具」としてくくるということは、そのくくりそのものに何かしらの意味があるからですよね。

 

「具」は文化の写し鏡

なので、あえて堅苦しく言うと、「具」という言い方は概念だし考え方だと思います。(あーそれを言ったらすべての言葉が概念や考え方を表す後付けの名前でしかないんですけどね!)

 

後付けの名前となると、人が文化的背景から影響を受けた考え方を映したものなんです。

 

裏を返せば、その概念や考え方を理解するには、人がその「具」という言葉とどう付き合い、「具」という言葉を聞いたときにどんな反応をし、どんな行動をとるのか…そういったことを積み重ねていってやっと、「具」という言葉を理解できるようになるのです。

 

文脈から単語力アップの例

「直接的な説明無しに、文脈で言葉を理解すること」とはどういった作業なのか、例があると分かりやすいですかね!

 

例1

  1. 男の子3人兄弟が食卓で、それぞれのお椀に豚汁がよそわれています。
  2. 彼らのお椀によそわれた豚汁の具の量がバラバラです。
  3. そして、具が少なかった長男が不満を言い出し、喧嘩がはじまりました。

→この場面から、具の意味がわからない人にでも、「きっとその豚汁において、『具』というものは入っている食べ物で、欲しがられるものなのだろう。」ということが見て取れますね。

 

今度は、英語の言葉の例を出しましょう。

 

例2

海外ドラマを観ていたら、“Pop-tarts” という言葉がたまに出てきます。登場する文脈は例えばこんな感じです。

 

小学生の男の子 :“Hey mom, why didn’t you put Pop-tarts in my lunch today?”

(ねぇ、お母さん、なんで今日はお弁当にPop-tartsを入れてくれなかったの?)

お母さん :“Because you didn’t finish your homework yesterday.”

(あなたが昨日宿題を終わらせなかったからよ。)

→ここでもうすでにPop-tartsが食べるもので、お弁当に入れないことが宿題のお仕置きになることが、ほぼわかります。

小学生の男の子: “But I really wanted Pop-tarts… to do my homework for tomorrow. Do you think I can have one now?”

(でも本当にPop-tartsが欲しかったんだよぉ…明日までの宿題をやるために。いま食べてもいーい?)

→男の子の好物のようです。お弁当で食べられなかった分、今おねだりをしています。

お母さん:“No, you may not, sweetheart. You’ll not be able to finish your dinner if you eat such a sweet thing now!”

(だめよ。いまあんな甘いものを食べたら夜ご飯が食べきれなくなるわよ!)

→甘くて、夕ご飯が食べきれなくなるくらいおなかに溜まるものみたいですね。

 

こうして、Pop-tartsについてなんの説明が無くても、

  • 甘いものである
  • 子供の好物おなかに溜まる
  • お弁当に入れられるような形状をしている
  • お母さんが厳しい(→これは関係ないですね。笑)

というような情報が得られるわけです。

 

ちなみにPop-tartsとはアメリカのお菓子で、私にはとてつもなくあまーいものなのですが、なぜかアメリカ家庭では子供のお昼ごはんのあの茶色の紙袋にPop-tartsも入れることがあったりします。

 

Pop-tartsに限らず、クッキーやブラウニーなど本気で甘いものを入れることが普通にあります。恐

 

まとめ

食べ物に関して言えば、どんなに材料や調理法を説明されても食べてみるまで味はわからないですよね。そして、その食べ物が社会的に、文化的にどんな位置づけなものなのかを理解する方が、実際に使おうとするときに使いやすいのです!

 

これが「文脈から言葉・表現を学んでいく」ということです。

 

少しはイメージしていただけていたら嬉しいです!ちゃんとルールを勉強することも大事ですが、ニュアンスを理解するには文脈に絡めて覚えることも大切ですよ♪バランスよくやっていきましょー!!!

 

では☆

 

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