「ゼロ・グラビティ(GRAVITY)」

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テレビで「ゼロ・グラビティ」がやっていたので録画して観てみました!

GRAVITY2

映像が高く評価されていた作品なだけに、絶対に映画館で観た方がいいのはわかっていたのですが、三半規管が弱い私には、映画館に行く勇気がどうしても出ませんでした!涙

テレビで観ても、迫力こそ減るものの、宇宙空間という、自分の日常からかけ離れた状況で、人やモノが動く様子にくぎ付けになりました。どうやって作ったんだろう、どうして制作陣や監督は、映像にする前にこれを頭の中にイメージできたんだろう!と感動しました!

でも残念ながら、やはりテレビでもちょっと酔いました( ;∀;)

よって、正しい判断をしたと思って後ろめたさが減ったので良かったです。苦笑

目次

マットのセリフの重要性

さて、メインはサンドラ・ブロックの一人芝居や宇宙での人やモノの動きなど、言葉以外のものが重要な映画なので、このブログには不向きかな~と一瞬思ったのですが、面白いセリフを結構見つけることができたので、やっぱり書くことにしました!!

最初から最後まで緊張感が続く本作品ですが、唯一の緩衝材となっているのが、ジョージ・クルーニー演じるマットという宇宙飛行士のセリフです。

始終、宇宙服を着ていることや、特に男性は冗談を言うときにあまり表情を変えないこともあって、少しわかりづらいのですが、彼が言うセリフには、緊迫した空気やサンドラ・ブロック演じるライアンの生真面目さや不安を和らげるためのポイントがたくさんあります!

テレビ放送の直前にこの映画を紹介していた俳優が、このジョージ・クルーニーの役のことを「ひょうひょうとしていて、高田純次さんみたいだ」と言っていたのが、すごく分かりました!

英語→日本語の直訳だとわかりにくいんですが、こういったセリフがあることで、マットがどんなに危機的状況でもひょうひょうとしているようなキャラクターだということがみてとれます!

マットのセリフ1

That’s heck of a walk

例えば、初めの事故のあと、スピンするライアンを見つけて自分とロープで繋いだあと、まず二人が目指すのはISS(International Space Station, 国際宇宙ステーション)です。

そこまでの距離が少しあったのですが、それをライアンに伝えるマットのセリフがこちらです。

That’s heck of a walk.

ニュアンスとしては、「ちょいと歩くよ。」的な感じでしょうか。a walkを「散歩」と訳してもコミカルさが足されるような気はします!

ポイントとしては、

heck of

ですかね~。これ自体に大した意味はないんですが、本来は「かなりの、結構な」のような強調の意味を足すスラング表現です。

スラング表現を、あえて深刻な状況でけろっと使うことで、事態を軽く見せようとしている感じがします。

日本語でも「結構な距離を歩くよ。」という意味で「ちょっと歩くよ。」と言ったりしますよね?本当は長い距離なのに、あえて「ちょっと」という言葉を使ったりします。でも私たち日本語ネイティヴは、文脈から、その距離が「長い」と言われているのか「短い」と言われているのか、判断することができます。

ここでの「ちょっと」の本当の役割は、距離がどれくらいのものかの説明ではなく、その文自体の印象を軽くしているということですよね!

そのような効果がこの

heck of a walk

という表現にもあります。

マットのセリフ2

There you go

次はですね、

There you go.

これは、マットがまだパニック状態のライアンを落ち着かせようとしてアドバイスをしたり、地元の話を聞いたりとかするんですよね。そのうちにだんだんライアンが落ち着いてきて、「その調子~!」とか「ほら、できた(落ち着いてきた)~!」とかいう意味で使われています。

「なんだ、ほら、できるじゃないか~!」くらいに意訳してもいいかもしれないですね。

これも、決まったフレーズなので、直訳はできないのですが、本当に上記のように、軽く相手の背中を押したり、相手が何かに挑戦してみたり、成功してきているときに、「そのまま波に乗せたい」、「より応援したい」という気持ちを込めて軽く言うフレーズです。

マットのセリフ3

I’ve got too much of a head start

次は、ライアンがISSに何とかたどり着いて、遠く離れてしまったマットと会話をしている場面です。ISSにある装備を使ってマットを迎えに行く!(“I’ll come get you!”) と言って聞かないライアンにマットが言うセリフです。

I’ve got too much of a head start.

僕の方がかなり先に進んじゃっているから(もう君には追い付けないよ)♪

本当は、ISS(ライアンがいる所)からどんどん宇宙を浮遊して離れていってしまうマットとの距離が長く絶望的だから、自分を迎えに行くという選択によってライアンの生き残る可能性を減らさないで欲しいというのが、マットの本心です。

でも、いつものマット調で、追いかけっこやレースをしているかのような感じで、「僕の方がかなり早くスタートしちゃったから、君は追い付きたくても追いつけないよ~!」という感じで言っています。状況が絶望的であり、マットが自分の生存を諦め、せめてライアンだけは生き延びられるようにするために、こうして明るく振る舞っていると思うと、切ないですね。

その続きに彼はこういう表現も使います!

I’m afraid that ship has already sailed.

「残念ながら、その選択肢はもう無いよ~(無くなってしまったよ)」ということを、比喩的に「残念ながらその船はすでに出航してしまったよ。」という表現で言っています。

頑固なライアンに、もう一度、自分(マット)を助けにくるという選択は現実的ではないということを、違う表現で念押ししているところです。

これらのセリフはこの映画の前半のはじめの方に集約されており、このあとライアンは一人でどうにか地球に帰れるように頑張らないといけないため、マットが登場しなくなったあとは観客もライアンと一緒に、彼女の感じる孤独、恐怖、不安、緊張などを最後まで感じることになります。

そう思うと、冒頭のマットの明るくジョークのようなセリフがとても大事なものに感じられます。

GRAVITY

まとめ

今回は、直訳は難しいけれど、出てくると冗談っぽく、明るい軽い雰囲気で言われているセリフだとわかるような、いくつかのフレーズを紹介しました!

  1. That’s heck of a walk.
  2. There you go.
  3. I’ve got too much of a head start.
  4. I’m afraid that ship has already sailed.

特にはじめの2つは、いろんな場面で多用されるものなので、みなさんが他の作品を観るときに、その場面やキャラクターの雰囲気を読み取るための手助けになればいいなと思います!


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